新公益法人税制について⑤
神戸市灘区の税理士・登録政治資金監査人の長谷川隆史です。
今回はその他の法令に係る取扱いについてお話します。
所得税法や租税特別措置法においても、新たな公益法人制度の創設に伴い、平成20年度税制改正により、例えば、次のような取扱いがされることとなります。
1 利子等に係る源泉所得税の非課税
公益社団法人及び公益財団法人については、所得税法別表第一(公益法人等の表)に揚げられることとなり、これらの法人が支払いを受ける一定の利子等に係る源泉所得税は非課税とされることとなりました(所法11①)。
(注)公益認定を受けていない一般社団法人及び一般財団法人については、この取扱いの対象ではありません。
2 公益法人等に対して財産を寄附した場合の譲渡所得等の非課税の特例
公益法人等に対して財産を寄附した場合の譲渡所得等の非課税の特例(措法40①後段)について、公益社団法人及び公益財団法人並びに特定一般法人(非営利型法人のうち非営利性が徹底された法人)が特例の対象法人となるほか、寄附財産が対象法人の公益目的事業の用に直接供されなくなったことなど一定の事由により非課税承認が取り消された場合には、その対象法人に対して寄附時の譲渡所得等に係る所得税が課せられることとなりました。
・・・今回⑤はここまで。
■新公益法人税制について⑤
新公益法人税制について④
神戸市灘区の税理士・登録政治資金監査人の長谷川隆史です。
今回は寄附金税制についてお話します。
公益法人制度改革に伴い、寄附金税制については次の通りとなります。
1 公益社団法人・公益財団法人は、すべて特定公益増進法人となり、寄附金優遇措置の対象となります。
① 個人が支出する寄附金
個人が国や地方公共団体、特定公益増進法人等に対し、寄附金を支出したときは、寄附金控除として所得から控除されることとなります。
② 法人が支出する寄附金
会社などの法人が特定公益増進法人に対して支出した寄附金については、一般寄附金の損金算入限度額とは別に、別枠の損金算入限度額が設けられています。
※特定公益増進法人の別枠分・・・(所得金額の5%+資本金等の額の0.25%) x 1/2
2 公益社団法人・公益財団法人のみなし寄附金及び寄附金の損金算入限度額
公益社団法人・公益財団法人においては、その収益事業に属する資産のうちからその収益事業以外の事業で自らが行う公益目的事業のために支出した金額について、その収益事業に係る寄附金の額とみなして、寄附金の損金算入限度額の計算を行います。
非営利型法人については、みなし寄附金の適用はありません(法37④⑤)。
※寄附金の損金算入限度額
① 公益目的事業の実施のために必要な金額(その金額がみなし寄附金額を超える場合には、そのみなし寄附金額に相当する金額)・・・確定申告書に明細の記載が必要。
② ①を適用しない場合には、その事業年度の所得の金額の100分の50に相当する金額
・・・今回④はここまで。
■新公益法人税制について④
新公益法人税制について③
神戸市灘区の税理士・登録政治資金監査人の長谷川隆史です。
今回は新たな法人区分による課税範囲と税率についてお話します。
1 公益社団法人・公益財団法人
課税所得の範囲・・・収益事業により生じた所得に対して課税(注)
税率・・・30%(所得金額、年800万円以下の金額までは22%)
2 一般社団法人・一般財団法人
① 非営利型法人
課税所得の範囲・・・収益事業により生じた所得に対して課税
税率・・・30%(所得金額、年800万円以下の金額までは22%)
② 非営利型法人以外の法人
課税所得の範囲・・・すべて所得に対して課税
税率・・・30%(所得金額、年800万円以下の金額までは22%)
3 特例民法法人
課税所得の範囲・・・収益事業により生じた所得に対して課税
税率・・・22%
(注)公益目的事業に該当する事業は収益事業から除かれます。
これだけで見ると、移行後の法人区分の税率が高くなり、事実上の増税です。
ただし、公益社団法人・公益財団法人へ移行した場合は、(注)にあるように公益目的事業に該当する事業が非課税となることから、税負担が減ることも期待できます。
・・・今回③はここまで。
■新公益法人税制について③
新公益法人税制について②
神戸市灘区の税理士・登録政治資金監査人の長谷川隆史です。
今回は「非営利型法人の要件」についてお話します。
非営利型法人とは「非営利性が徹底された法人」または「共益的活動を目的とする法人」を指します。
法人税法上では以下の通りの規定があります。
① 非営利性が徹底された法人
事業により利益を得ること又は得た利益を分配することを目的としない法人(法2九の二イ)
② 共益的活動を目的とする法人
会員から受け入れる会費により、会員に共通する利益を図るための事業を行う法人(法2九の二ロ)
具体的には
① 非営利性が徹底された法人
1 剰余金の分配を行わないことを定款に定めていること。
2 解散したときは、残余財産を国や一定の公益的な団体に贈与することを定款に定めていること。
3 上記1及び2の定款の定めに違反する行為をしたことがないこと。
4 各理事について、理事とその理事の親族等である理事の合計数が、理事の総数の3分の1以下であること。
② 共益的活動を目的とする法人
1 会員に共通する利益を図る活動を行うことを目的としていること。
2 定款等に会費の定めがあること。
3 主たる事業として収益事業を行っていないこと。
4 定款に特定の個人又は団体に剰余金の分配を行うことを定めていないこと。
5 解散したときにその残余財産を特定の個人又は団体に帰属させることを定款に定めていないこと。
6 上記1から5まで及び下記7の要件に該当していた期間において、特定の個人又は団体に特別の利益を与えたことがないこと。
7 各理事について、理事とその理事の親族等である理事の合計数が、理事の総数の3分の1以下であること。
◎ 非営利型法人の要件のすべてに該当する法人は、特段の手続きを踏むことなく非営利型法人となります。
◎ 非営利型法人が、その要件のうち、一つでも該当しなくなったときには、特段の手続きを踏むことなく普通法人に該当することになります。
※非営利型法人に該当したとき又は該当しなくなったときは速やかに「異動届出書」の提出が必要です。
・・・今回②はここまで。
■新公益法人税制について②
新公益法人税制について①
神戸市灘区の税理士・登録政治資金監査人の長谷川隆史です。
新たな公益法人制度の創設に伴い、平成20年税制改正により大幅に変更されました。
まず今回は税制改正後の社団法人・財団法人の区分についてお話します。
公益三法の制定による新たな法人の種類の創設と社団法人・財団法人の廃止に伴い、法人税法上、次の通り法人の区分を行うことになります。
(1) 公益社団法人・公益財団法人
行政庁から公益認定を受けたものをいい、法人税法上、『公益法人等』として取り扱われます。
(2) 一般社団法人・一般財団法人
① 非営利型法人
公益認定を受けてない一般社団法人又は一般社団法人(以下単に「一般社団法人・一般財団法人」といいます)のうち一定の要件に該当する次のものについては、「非営利型法人」として、法人税法上、『公益法人等』として取り扱われます。
・ 非営利性が徹底された法人
・ 共益的活動を目的とする法人
② 非営利型法人以外の法人
一般社団法人・一般財団法人のうち、非営利型法人に該当しないものは、法人税法上、普通法人として取り扱われます。
3 特例民法法人
従来の社団法人・財団法人をいい、これまで通り法人税法上、『公益法人等』として取り扱われます。
※『公益法人等』とは・・・法人税法別表第二に掲げられた法人をいい、これらの法人は収益事業から生じた所得について課税されることになるなど、普通法人とは異なる取扱いがされることとなります。
・・・今回①はここまで。
■新公益法人税制について①

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